数学なんて
数学なんてやってどうなるんだ?
そう思った人は多いでしょう。私もそうでした。
しかし、それは言い訳で、成績が良くなかったから文系に逃げただけあります。
そのコンプレックスからでしょう、理系の人がさっそうと論理だてた言動で活躍するのを見ていると、恥ずかしさと反発心が沸き上がってくるのを抑えられませんでした。
現実だけではなく、森博嗣さんの小説などを読んでいても心がざわついてしょうがなくなる、というような有様だったのです。
(余談ですが、人気学者の茂木健一郎さんが「すべてがF」を読後投げつけた、とどこかで目にしたのですが、どういう理由だったのでしょうね? 調べてもみつけられませんでした)
しかし、このまんまコンプレックスから目を背けて逃げ続ける一生というのはごめんだと感じました。しょうもないプライドを一から学んだほうがいいと決心したのです。
決心して本屋で数学関連を探してみると、結構あります。
なんだ、自分だけじゃなかったんだ。わからなくて、でもわかりたくて、もがいている人たちはたくさんいるものだ。
そう思えただけで楽になり、上記の本を始めとして色々と学んでいくことになりました。
「それが何の役に立つの?」
そう問われても、自信を持ってはっきりと答えられるわけではありません。
数学が社会の中で大きな働きをしていることは、コンピュータプログラミングや建築などの例を見るだけで明らかなのですが、といって自分のような初歩の初歩がプロのお仕事につながるわけではないのも明らかです。
ですからこう答えます。
「やりたいから、取り組みたいから。わかるのが楽しいから」
そして、取り組んでいると自分がちょっぴり誇らしく感じられるから、でしょうか。