Don't think.Feeeeeeeeeeel!
言わずと知れたブルースリーの、燃えよドラゴンの中のセリフですね。
「ふぃぃぃぃぃぃぃぃる!」
と、巻き舌で言うのがポイントだそうです。マニアの方によると。
これはもちろん、「理屈や知識は過去のもの、今現在ではない。頭を使うのではなく、今この瞬間に感じることに意識を集中せよ」
という意味です。
知識偏重、頭でっかちの理屈屋になるな、という戒めです。
それはそれでもちろん正しいし、ブルースリー御大にケチをつける気は毛頭ありません。
しかし、言葉通りに受け取るのは危険です。
なぜなら、感じるままにやっている、ということは、今のやり方をそのまま何も疑わずに続けることになりかねないからです。テニスでも野球でもいいのですが、最初に正しいバットやラケットの握り方、振り方を徹底して学びます。それはやり始めのころは窮屈で難しいものでしょう。
けれども、それは多くの先人が理論と経験の末に学んできた膨大なデータから導き出された理論であります。個人が
「俺は自分の感じるままに、オレ流でいくぜ!」
などと好き勝手していたら、早晩伸び悩んでしまうことでしょう。本物の天才でない限りは。
やはり、論理的に考える、ということは大事です。軽んずるべきではありません。
現にブルースリーも、古い型の拳法では理に適わないと近代格闘技を多く学んだ末に、彼の格闘理論「ジークンドー」を作り上げたわけです。これは現代の総合格闘技の先取りをするぐらいの画期的な武術として評価されています。
それはひとえに、彼が「調べ抜き、考え抜く」ことを貫いたから、本質的なものを創りえたからだと思います。ただの思い付きでは不可能だったでしょう。
論理思考から逃げなかった彼だからこそ、「考えすぎるな」と言えるのであって、キャッチフレーズをそのまま受け取ってはただの思考停止です。
論理から逃げない生き方で在りたい、そう思います。